我が家に伝わるお正月の行事を母の料理日記から紹介します。70年以上前の1943年大晦日から書かれています。この年はまだ私は生まれていません。

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〇昭和18年(1943年)12月31日
床飾りをすまし、佛前を整理する。
<夜>
・ご飯
・味噌汁:大根、人参、里芋、ゴボー、葱
・なます:大根、人参
・餅の上に小豆をのせ お平の代わりにする

〇昭和19年(1944年)1月1日
朝四時半起床。若水をくみ風呂を沸かし、儀式をすませ、お雑煮を祝う。
<朝>
・雑煮:芋、餅、海老、もやし、(白菜)、かまぼこ、茸
・すえつけ:さしみ4きれ、ショーガ、玉子のうらごしをふる。
・数の子:花かつおをかける。
・たきあげ:肉、コンニャク、ゴボー、人参、青味(サヤ)
・とり魚:かまぼこ、茸、昆布巻、ゴボー、外
・豆

<昼>
・汁=のり、トーフ
・ナマス
・餅の上に柿、ゆずり葉をしく

〇1月3日
・芋雑煮:八つ頭、餅、茸、もやし、(白菜) の味噌汁
(前夜から柔らかく煮た八つ頭を味噌汁につけておく)

〇1月7日
・七草がゆ:大根、人参、ゴボー、茸、あげ豆腐、餅、七草、葱、春菊

〇1月6日
門松を取る、タラの木と***(2種類:2011年1月、母からの話。)

〇1月11日
鏡開き
・おしるこ

〇1月14日
柳とけずり木に変える

〇1月15日
・あずきがゆ

〇1月20日
女正月

〇1月31日
送り正月

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門松も6日と14日に二回替えているようです。もうはっきりしないところもありますが、なんとなく記憶に残っています。そして料理の方も、できるだけ残していきたいなあと思っています。
話を聞いた当時「***」は分かりませんでしたが、知覧武家屋敷の門松などからすると「イヌガヤ」のようです。

 

[昭和63年の我が家の正月献立]
母のスケッチ図

 

 

 

 

解読するとこうなります。
〇口取と茶膳

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〇次膳と本膳

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〇これにご飯と漬物、汁が付きます。

 

[昭和63年の母が親しくしていたお家の正月献立]
絵は母のスケッチから再現しました
〇輪島塗朱膳
・さしみ:白身、赤身(ぶり)、シソ大根
・かずのこ:木の芽
・きんとん

 

 

 

 

〇籠つきだし
・海老の姿煮
・ソラ豆
・スモークサーモン
・馬鈴薯で椿の花仕立

 

 

 

 

〇九谷焼
・ブリの焼魚
・かぶ

 

 

 

 

〇唐津焼
・天ぷら:れんこんのかしわはさみあげ
<作り方>
①よくまぜる
・鶏挽肉 200g
・長葱ミジン切り 5cm分
・ショーガ汁 小さじ1
・醤油    小さじ2
・玉子    1/2
・片栗粉   大1
②ハス中1節(正味30g位)の皮をむき 酢少々を加え水でサット洗う。
③4mm位の輪切りにして、1枚にスプーンで鶏肉をのせ、もう1枚で軽くおします(中身が穴をうめる周りからはみださない程度)
④玉子小1、水130ccを泡立て器でよくほぐし小麦粉80gを加えて衣をつくる。
⑤油は180℃、中火でハスが浮き上がってカラリとなるまで2分位かけて揚げます。
⑥カラシ、酢、醤油などで食べる。

 

 

 

 

 

〇清水焼
・酢のもの:貝、きうり

 

 

 

 

 

 

〇清水焼(蓋の物)
・魚の子
・がんもどき
・れんこん
・ごぼう
・筍
・絹さや

 

 

 

 

 

〇ピーズ飯、粕汁、漬物が付きます

 

 

 

 

〇紅茶、チョコレート