鹿児島県北西部に位置する出水は、薩摩藩と肥後藩の国境にあり、戦略的に重要な拠点として薩摩藩最大の武家屋敷群が造られました。平成7年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定され、川石で作られた石垣と武家門が続く江戸時代の街並みの佇まいが、ほぼそのまま残っています。(NPO法人出水麓街なみ保存会)
まず出水麓歴史館、竹添邸、税所邸、等で販売している、三施設の共通入館証(缶バッジ、高校生以上500円)を購入します。今年いっぱい有効です。
武家屋敷群の観光マップです。税所邸前の駐車場に車を止めて、竹添邸で入館証を購入し、このマップをもらいました。竹添邸から順番に時計回りで散策します。竹添邸と税所邸には案内の方が常駐しています。時間があれば案内の方と、じっくり、いろいろとお話すると大変面白いです。
竹添邸の武家門。
屋敷の中。NHK大河ドラマ「篤姫」のロケに使われました。
座敷。ここにはえらい客人が通されます。座敷のみ、壁は全部ベンガラ(紅唐)の赤い漆喰です。
広間。
奥座敷。隠居部屋で、陽当たりが一番いいところにあるそうです。
屋敷の前の街並みです。手前が竹添邸、奥が税所邸。
隣の税所邸の武家門。左の樹、もう少しすると紅葉が一段と美しいでしょう。
屋敷と間取り。右下に「弓的場」とあるのは、弓の屋内練習場。出水は肥後藩に対する軍事拠点で、半農半士の郷士は雨の時は武道の訓練を欠かさなかったようです。
上座敷。ここの壁もベンガラの漆喰です。
手前がなかえ、奥が広間。広間の床が一段と高くなっているのが薩摩屋敷の特徴です。なかえの上には屋根裏部屋、奥に見える囲炉裏脇には地下への隠し扉があります。いずれも敵に攻められた時に、女・子供を逃がすためのものです。
囲炉裏わきの隠し扉。
奥座敷。ここも隠居所で一番陽当りのいい部屋です。
武家屋敷通りの道幅は広いです。
次に、順番に武家門を見ていきます。志賀邸の武家門。
松本邸の武家門。
野村邸の武家門。
諏訪神社。
石塚邸武家門。
宮路邸武家門と庭。NHK大河ドラマ「篤姫」のロケに使われました。
溝口邸武家門。
武家屋敷通り。
河内邸武家門。
御仮屋門。現在は出水小学校の正門になっています。
武宮邸の武家門と庭園。
出水麓歴史館。武家屋敷群の全体像をつかんでから散策しても、散策後に見てもう一度確認してもどちらでもいいと思います。
武家屋敷群全体のパノラマ。
武家屋敷の模型。下の列左が竹添邸、右が税所邸でしょうか。
出水の武士についての説明です。
竹添邸でもらった「出水兵児修養掟」のコピーです。
出水の武家屋敷は軍事的な要衝、それぞれの屋敷に華美さはなく、いざという時に備えているのが分かります。庭園も知覧の武家屋敷庭園を見た後には物足りませんが、知覧は島津氏分家なので役割が違うのでしょう。
おなかがすいたら、蕎麦屋、遇祥庵(ぐしょうあん)を勧められましたが、一回りして行ってみたら看板が準備中に変わっていました。残念。
NPO 出水麓街なみ保存会のURLはこちら。