昭和19年、母の時代のお盆三が日(8月13~15日)のお盆料理の流れです。

〇八月十三日お盆の入り
<夕方> 墓に花を入れる
<夜>  豆といり豆腐を佛前に供える

〇十四日
<朝>
・小豆がゆ : 砂糖または塩
・かのこ汁(味噌汁): 大根(3分角)、芋(3分角)、牛蒡(ややうすく)、揚トーフ(3分角)、ニガシキ(3分角)、大豆(少々)、茸とキクラ(線切)
・新梅干
<昼>
・ご飯
・酢のもの: アゲ豆腐、唐芋がら(きうり)、キクラ・・・いずれも線切
先ず砂糖、醤油、塩で味付けして、ごま酢であえて一箸で(祝いの時は二箸)でつける。
・お平: 馬鈴薯 丸まま皮をむき筍と味付け、茸を味付(残汁で酢のものの味付)、キンカン豆腐(ヒウチ*)と四品盛合わせ・・・濃い吸味を少しかけて出す
*丸い金柑トーフを平たく大きくしたのがヒウチ

キンカントーフの作り方:
①豆腐をしぼり押をしておく
②キクラをきざむ
③塩少々、味の素を入れ豆腐をすり鉢ですりねばりを出し、団子にまるめ油であげ湯どおしをして濃く味付けする。(トロ火で長く)

<夜>
・ご飯
・吸物
・漬物
・酢の物  糸こんにゃく(からし入り)、きうり
・五種盛り きんかん豆腐、茸、ゴボー、里芋、青味

〇十五日
<朝>
・小豆がゆ、かのこ汁、新梅干
<昼>
・冷ソーメン
<おやつ>
・おだんご 西瓜
<夜>
・ご飯、汁、酢のもの(春雨、シソ、きうり)、茄子の田楽、漬物

 

[昭和19年8月15日初盆の客膳]


母のスケッチ図

解読するとこうなります

<作り方>
〇落下生とーふ
(昭50 母の友達の作り方)
ピーナツ 110g、片栗粉 100g、水コップ6パイ
20~30分ねる、ワサビ等そえる

(昔の作り方(昭和20年))
①落下生を少しいり、皮をむき、水につけ、暫くしてから全部皮をむき、小さくきざんで、すり鉢ですりつぶし、こして殆どかすがなくなるまでする。
②それに葛を加え 2時間ねる。
③水につけてあった流し箱へ流し固める。

〇八方地だし
①薄口醤油 1、みりん 1、昆布おだし 6、それにかつお節を加える。
②一煮立ちして、うらごしにする。

〇玉子とーふ(10人分) ワサビかユズ、八方地
①玉子 3、卵黄 2 を軽くとき、だし汁(吸い物だしより少し濃く) 4を加え、あわが出ない様に混ぜ合わせ、裏ごし、流し箱に流し入れラップをかける。
②むし器に入れ弱火でむす。