阿久根駅のすぐ裏側(山側)にあり、名前から分かるように焼酎の一大杜氏集団・黒瀬杜氏の流れを組む手造りの焼酎蔵です。また、私が子供のころ一世を風靡した焼酎「稚児桜」の安楽酒造が前身。


中の事務室で、見学をお願いします。試飲はありませんが、ここで小売りもしています。


案内してくださった方は、副杜氏の黒瀬さん。黒瀬杜氏の一族でしょうか? すごく丁寧にいろいろなことを教えていただきました。


この蔵では原料米に基本的にタイ米(長粒米)を使っています。国産米と違い粘りが少ないので、蒸したときにダマにならず、麹が均一につくとの事です。

米を蒸すドラムと三角屋根の製掬装置。訪れた日は製掬の工程は終わったばかりで、中をきれいにしているところでした。



製掬工程でできた酒母をバケツリレーで、下の階にある一次仕込みのタンクに入れます。バケツを使っているのはこの蔵くらいでしょうかねと言ってました。もう少し詳しく言うと、天井に開けた大きなパイプとタンクとを次の次の写真にあるパイプで接続して入れるそうです。本当に手作業ですね。



その後、櫂でよくかき混ぜます。


一次仕込みから、日がたつにつれて発酵の様子が変わってきます。臭いをかいでみてくださいと言われ、もろみの上の空気を手であおいでかぎます。位置が深くなるにつれて、つんとした臭い、結構強烈です。このにおいも時間とともに変化します。臭いを嗅いで確かめながら工程を管理しているのですね。




次にさつま芋の工程。芋を選別して磨いているところ。今日の作業はそろそろおしまいなので、人も少ないでした。


奥の装置で芋を蒸して、手前の装置で粉砕します。


粉砕した芋を一次仕込みの米と混ぜる二次仕込み。上にあるリング状の管からは温度調節用の水が流れています。


発酵の進んだ二次仕込みタンクの中を見せてもらいました。もろみの表面からタンクの口までは、発酵過程でできる炭酸ガスで満ちているので(炭酸ガスの重さは空気より重いので)、誤って中に落ちたりすると酸欠で即死のようです。また、タンクを洗浄するときも、炭酸ガスが残っていないように、扇風機でパージしてからやっていますとの事でした。


蒸留器が三台並んでいます。


そのうち一番奥にある蒸留器が一番古く、この型のものは少ないそうです。すべてマニュアルで操作でき、いわばプロの中のプロ使用でしょうか。


ビン詰めのラインです。


鹿児島酒造は焼き芋焼酎でも有名ですが、私はこの三本を購入しました。左から、「ちご櫻」、「さつま諸伯」、「阿久根」。


一升瓶しかありませんでしたが、子供の時よく聞いた「ちご櫻」の味を知りたくて・・。裏ラベルです。


「さつま諸伯」の裏ラベル。白麹仕立てです。


もう一本は地名阿久根にちなんだ、「阿久根」。裏ラベルです。S型白麹を使っています。ホームページによると、この麹菌は、原料臭を和らげて、甘味の強い、うまい焼酎ができるそうです。


 

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