人吉は昨年(2020年) 7月の豪雨で球磨川が氾濫し多くの地域が水没しました。一年たった今、かなり復興しているもののいたるところにまだ傷跡が残っています。人吉復興キャンペーンなるものがあったので、先日一泊二日で行ってきました。

鹿児島から人吉まで車で高速を使って1時間半~2時間、手軽に温泉小旅行を楽しめます。
初日は、まず人吉駅に行き観光案内所で情報を仕入れます。お昼を食べて、味噌や焼酎蔵をめぐり、人吉温泉で一泊します。

■人吉駅周辺
SLが走るJR肥薩線と球磨川鉄道の人吉駅。観光案内所はこの中にあります。

人吉駅のシンボルからくり時計。3月から10月は9:00~18:00の毎時間刻を告げます。

水害で仮設店舗で営業している駅前商店街(?)。

人吉鉄道ミュージアムと機関車庫。

■お昼は丸一蕎麦屋
明治31年創業だそうです。ここも、水害でやられ仮店舗で営業中。

ざるそばとかしわそばのセットメニューをいただきました。セットメニューなのでそれぞれ少なめかなと思って注文したのですが、いずれもしっかりした量で満腹。


■釜田醸造所(みそ・しょうゆ蔵)と立山商店(お茶)
人吉の蔵めぐり、丸一蕎麦屋からすぐの鍛治屋町通りにある味噌・醤油を醸造している蔵です。人吉は球磨焼酎で知られていますが、味噌・醤油蔵も多いところです。

100mくらい続く蔵は自由に歩いて見学でき、中に入ってすぐに大豆を蒸す装置と麹を付ける室があります。

ここで作っている味噌、醤油、漬物が並んでいます。人吉の醤油は甘口。それでも、蔵の人曰く、鹿児島の醤油ほどではありません。もともと甘くはなかったのですが、都城あたりから甘口醤油が入ってきたそうですね。

お隣の立山商店。明治10年創業で、人吉球磨茶を作っています。観光客向けサービスもいろいろやっているようです。

■焼酎蔵めぐり、繊月酒造、大和一酒造元
人吉には球磨焼酎の蔵が27(前は28ありましたが、1蔵は水害でやられたとの事)あり、その中で繊月酒造と大和一酒造元をまわってきました。
繊月酒造。門を入った右に足湯もあります。後ろの建物が見学できる蔵。2階にエレベータで登ると、ビン詰め工程などを見せてくれます。そして、試飲と販売所があります。

門を入って左の事務所棟で蔵見学を申し込みます。

門を入ったすぐ左手に、昔の兜釜式蒸留器が展示してありました。

もう一つ、大和一酒造元。この蔵では、兜釜蒸留器で焼酎を造っていて、今回の旅行で是非見たかったところの一つです。大和一酒造元さんは水害で大きな被害を受けましたが、ここまでよく復興したものです。


入口にあるインターホンで見学をお願いします。扉を開けるとこんな様子が飛び込んできます。前、事務所に使っていたところで、天井近くまで水につかったそうです。

隣にある製掬の室。前に水害時の写真があり、当時の被害状況を教えてくれます。浸水して仕込みのタンクがぷかぷかと浮いていたそうです。

現在、麹室はこんなに復興しています。焼酎蔵はたくさんありますが、室で製掬しているところは最近少なくなりました。

この蔵では温泉が湧き出ていて、その温泉水を用いた焼酎がブランドになっています。左の茶色の壺の中に源泉が湧き出ています。

案内して頂いた女性に、兜釜蒸留器の事を伺うと、隣の部屋へと案内してくれ、そこにありました有りました! 蒸留した焼酎を取り出す管は竹でできています。
水害の復興でなかなかここまで手が回らないとの事でしたが、後一年もたつと、きっとまた現役でおいしい焼酎を造ってくれるものと信じたいですね。

大和一酒造元さんで作っている焼酎の数々です。まだまだ水害の傷跡が深く、焼酎のケースの上に並べてありました。

ちなみに、今回の旅行で買った焼酎三本です。左から繊月酒造の「川辺」、大和一酒造元の「大和一」と「温泉焼酎 夢」。

■武家屋敷
人吉藩の家老屋敷跡。正面にあるのが堀合門。西南戦争の折、西郷さんの宿舎として使用されました。繊月酒造のすぐそばにあり、入場料300円です。


屋敷の中の庭園。池は心という字を表しているそうです。

■人吉温泉 あゆの里
今宵の宿は球磨川沿いに建つ「あゆの里」です。ここも水害で1階まで水が来て調度類が全部だめになったそうです。泉質は、弱アルカリの炭酸ナトリウム泉。

部屋から見た球磨川。護岸は低く、いかにも水害に弱そうな感じがしました。向うに見えるのは人吉城跡。

人吉といえば球磨焼酎とあゆ。あゆの里には、球磨焼酎の試飲コーナがあり、自由に好きなだけ飲むことができます。ただし、食堂への持ち込みは不可。食後に、備え付けのコップに入れて部屋に持ち込むのは良さそうな雰囲気ではありました(?)。

球磨焼酎27蔵の焼酎も販売しています。

夕食のあゆの洗い。

あゆの天ぷら。

飲み物は、球磨焼酎飲み比べにしました。

朝食には、あゆの焼きものが出てきます。
いずれのあゆもちょっと小ぶりなので、宿の前の球磨川で釣った天然あゆなんでしょうね。

さて、次回・二日目に続きます。